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82年生まれ、キム・ジヨンのtokoのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
3.8
観る人の年代で感想も違ってくると思います。

ジヨンは専業主婦だけど、子育ても家事も完璧にこなして、(その完璧さが時として痛々しく感じたけど)、優しくて子育てに協力的な夫も居る。(だから愚痴も言えないのかも)

そんな中で、バリバリ働いてる同僚達と自分を比べて疎外感と息苦しさを感じるジヨン。
結婚を悔やんでる訳では無いけど、誰かの嫁としか認められない自分に、心のバランスが壊れていきます。

何がジヨンを苦しめてるの?
それは、子供達の為に苦労して来た母親の過去?
子供の頃から自分を認めてくれない父親に愛されてると感じれない悲しさ?
嫁をお手伝いの様にこき使う義母への不満?
嫁として生きて行く事に夢を見いだせ無かったのかな?

子供の頃からもっと認めてもらいたいと頑張って掴んだ仕事が無くなって不安になったのかな?
真面目で頑張り屋だからこそ悩んでしまったのでしょう。

恵まれた結婚生活なのにと思う人も居るだろう。
悩んでくれる旦那が居て贅沢な悩みだと思う男性も居るだろう。
そんな人には、ジヨンの気持ちは想像出来ないんだろうね。

私もきっと、ジヨンの気持ちの半分も理解出来ていないと思います。(独身の頃、ジヨンみたいに仕事に情熱を持っていなかったし)
きっと、私がジヨンの母親の年代だからでしょう。

祖母に憑依した姿を見た母親の気持ちは涙が出るほど胸が痛みました。
娘に自分の苦労した姿を見せてしまった事、夫が長男だけを溺愛する事を許してしまった事…そんな事が今の娘の心に傷を作ってしまったのかもしれないと悔やむ母親の辛さに涙が出ました。

でも、ジヨンはやっぱり恵まれてたと思います。
ジヨンを愛し病気に一緒に寄り添ってくれる旦那さんと、言葉に出さないけど心配してくれる家族がいるから。
誰もジヨンを責めないし、ジヨンを信じているんだね。

ジヨンに笑顔が戻って良かった。
今の自分を好きになったのかな?
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