知桃

淪落の人/みじめな人の知桃のレビュー・感想・評価

淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)
4.8
不慮の事故で半身不随になってしまったおじさんと、そこに派遣されたフィリピン人家政婦の話。
雇用主の介助、家事、看護、すべてをこなさなくてはならないエヴリン。楽な職場ではない。
妻とは離婚、母とともにアメリカに渡った息子はもうすぐ大学卒業、不自由な身体で公営住宅で一人で暮らす昌榮。

最初は言葉も通じず、ぎこちない関係の二人。
お互いの誠実さが少しずつ伝わって、やがてそれぞれを思い合う関係に。と言っても恋愛関係ではなく、ただお互いを尊重し、相手の為に出来ることを当たり前のようにしてあげるだけ。

沁みる。
めっちゃ沁みる。
笑えるところも多々あるんだけど、根底の優しさが沁みる。
フィリピン人家政婦のコミュニティも出来上がっていて、その様は十年後の日本かな?と思ってみたり。
雇用主と家政婦の関係は千差万別。
その中でこの二人が出会い、こんな素敵な関係を築けるなんて、世の中愛だよ!愛!
会場、すすり泣き多数。
もちろん、私も(笑)
主演のアンソニー·ウォンが素晴らしい!半身不随の演技もだけど、目、身体の傾け方なんかで感情がとても伝わってくる。
寂しいけど心は愛に満たされる結末で、大満足です。
知桃

知桃