ゆっけ

フェアウェルのゆっけのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
4.0
とある家族の愛を描いた映画。
中国、アメリカ、日本、3つの国が混ざっているのが不思議。

ガンで余命3ヶ月と宣告されたおばあちゃんにそのことを告げずに、親戚一同が集まる口実に結婚式をでっちあげる。

余命ものなのかと思ったら、劇的な展開も特になく、めっちゃ淡々とした日常を描いています。是枝裕和の『歩いても 歩いても』を参考にしているみたいです。小津安二郎の『東京物語』などのように”帰省映画”だと思います。

ニューヨークに住む、ビリーは、東洋と西洋の考え方の違いに一人苦しむのだけれども、中国の文化、慣習を見つめることで、自分自身の存在意義に気づかされます。

丸くなって料理するシーン、墓参りのシーン、そして結婚式のシーンが印象的。盛大に、明るく、そして大いに泣く。なんて感情豊かなんだ…

主演のオークワフィナの存在感が素晴らしい。ハスキーな声もいいし、あの独特の猫背や肩の上げ方とか、美しいわけではないけど、様になっていてかっこいい。こういう演技や動作で惹きつけられる役者さんって本当にすごいですよね。

うまく説明できないけど、なんとなく心地よい映画。

おばあちゃんの発声健康法「ハッ! ハーッ!」やりたくなりますw
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