テーマと、その映像表現といった道具は面白いが、物語は道具に負けてしまっている。道具の使用に必然性を感じない/使用者のチープさにアンバランスを感じる物語に考察する意味はあるのか？と。「直感」という言葉で終始してしまった説明や、単純に周りの秘密主義にも共感できず、この切り貼りのご都合主義のごまかしをぐるっと腹に収められるほどの、「これでいいのだ」的収束感もない。
過去と未来で挟み撃ちにする作戦を大規模に描いた作品は初めて観たので、非常に興味深かく、また、主人公がこれから対峙する任務について考えると切なくワクワクした。作品の殆どのシーンを興味深く見入ったが、それはメカニズムの興味と映像表現と、人物と、、切り貼りの一つ一つへの興味でしかなかった。
