NaoMaru

TENET テネットのNaoMaruのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.0
クリストファー・ノーラン監督作品

見たこともない映像と聴いたこともない音楽・音響に圧倒された。スパイ映画をベースとして超時間概念で組み立てられた難解な物語。無駄のないカット割で、長時間でもスピーディに展開した。

キエフのオペラハウス、オスロ空港、カーチェイス、スタルスク12の戦い。時間の「順行」と「逆行」が段々追えなくなる。第三次世界大戦を超える事態を阻止する目的で、二人のエージェントが命懸けで任務を遂行する。未来から来たという白人金髪の男、ニール。「主役」は俺だという黒人の“名もなき男”。終盤から二人の任務に協力する金髪美人で高身長の“キャット”。そして自分の死と引き換えに、世界の滅亡を考えている武器商人で“キャット”の夫、セイター。

一連の任務を終えて、二人の男に友情以上のなにかを感じたとき、ニールは「逆行」を決意し、“名もなき男”と突然の別れが訪れた。“名もなき男”は窮地におちいると、いつもニールに助けられた。二人の未来には一体なにが待ち受けているのだろう。“名もなき男”が好意を感じていた“キャット”の息子は、未来ではニールになるのではないか。そう思うと心が滲みる。続編期待!


【順行・逆行の説明】初見の方へ
「順行」は現在から未来へ時間が流れる通常通りの時間。問題は「逆行」で、現在から過去へ時間が流れるが、DVDの逆再生のように、周囲の時間が流れて見える。本人だけは通常通りの時間の流れにいる。24時間前の過去に戻ろうとしたら、24時間掛けて「逆行」して戻ることに。

本作では、遠い未来に発明されたという「逆行装置(回転ドア)」が登場する。赤でマーキングされた「順行」と青でマーキングされた「逆行」。二つのスペースの間はガラスで仕切られ、反対側の様子がわかる仕組み。赤側から順行者が回転ドアに入れば「逆行」になり、青側から逆行者が入ると「順行」に戻る。
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