Elijah

TENET テネットのElijahのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.5
丁度2ヶ月ぶりとなる劇場鑑賞。
大好きなクリストファー・ノーラン監督作を劇場で体感しない訳にはいかない。
本国版も日本版も予告編をほぼ見ずにキャストだけ知っての初日IMAXデジタル版にて鑑賞。
よくよく振り返るともの至極シンプルかつミニマムに抑えた物語をここまで複雑に巧みに魅せるクリストファー・ノーラン監督の知的エンターテインメント節の健在ぶりに満足ゆく結果に。
上映時間150分の尺を長く感じさせることなく、鑑賞後すぐに再見して確かめたくなる域だった。
自分は『インセプション』よりも初期の『フォロウィング』と『メメント』の方を想起させるものを作風に感じたり。
クリストファー・ノーラン監督の畳み掛けるようなゾクゾクとさせる演出に、整然とした映像とその構図に品を感じさせるところも好きだ、と再確認。
“名もなき男”ジョン・デヴィッド・ワシントンの優しく力強い眼差しと確かな存在感は勿論だけれど、ロバート・パティンソンが思いのほか好演していて良い役者になったなぁ、と小躍りしたくなったほど。
エリザベス・デビッキはTVミニシリーズ『ナイト・マネジャー』のキャラクターが重なってしまうようなタイプキャストに見せかけておいて、それだけではなかった時の気付きが最高に心地良かった。
初めての登場場面の際に一瞬「あれ?トム・ハーディ?カメオ?」と思ったら、よく見るとアーロン・テイラー=ジョンソン(出演しているのを失念していた)!
割と出番があるにも関わらずビリングの扱いが小さくて驚いた。
相変わらず格好良いけれど、すっかり軍人の役が板に付くようになったなぁ、と(なんせ細身の『ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日』からのファンなので)。
本編終了後、場内が明るくなった時に後ろに座っていた若い男子2人組の会話が聞こえてきて、「難しかった、もう一回観ないと理解できないかも」という感想も印象的だったり。
とにかく、これでようやくネタバレ回避とミュートワードから解放されることが嬉しい。
…劇中の台詞「Don’t try to understand it. Feel it(理解しようとするな。感じろ)」
正しくそういう映画だと思う。
Elijah

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