しゅんまつもと

TENET テネットのしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.1
9/18 IMAXレーザー
初めてノーランが収束じゃなくて発散の映画を撮ってくれてめちゃくちゃ感動してる。わからないことが何より面白い。ジェット機のシーンと消防車のクレーンのシーンはまじで大爆笑した。あとは天晴れルドウィグ・ゴランソン!

9/21
パンフレットを読みこんで2回目。おおよその筋は理解できるようになったけど、理解できると少し面白みがなくなるのも事実。やっぱりノーランはシチュエーションとプロットの作家なのは変わらなくて、作品を追うごとにドラマは豊かになってるけど未だに人物像の深みとは食い合わせが悪いということにも気付かされる。悪く言えば映画の中の人物が映画の中で動くコマに過ぎないと言うか。特にキャットの描き方は見れば見るほど釈然としないし、そういう面で往年のスパイ映画からアップデートしようという気概も感じられない。
でも一方で、主人公とニールの豊かな空白がもたらす関係についてはこれまでにない魅力があるのも間違いない。
そういった差し引きがありつつも、やっぱり2020年の今こういう映画にしかできない表現をバカ真面目にするノーランの気概を讃えたいし、間違っても小馬鹿になんて出来ない。