このレビューはネタバレを含みます
ある任務により死にかけた(名もなき男)は謎の組織に助けられた。
TENETと呼ばれる物、そして逆行する弾丸の謎を追い来たるべく第三次世界大戦を阻止するため新たなる任務へと向かう。
物語自体はとてもシンプルで主人公である(名もなき男)と相棒のニールが世界を救うため戦うスパイアクション映画。
そこにSF的要素の未来人からの侵略と時間の動きを変える装置が登場する。
この世界での過去へ行く方法はタイムワープでは無く〈過去へと向かう時間の方向〉へと切り替える装置を使いその時間まで待つのである。
簡単に言えば折り返し地点のあるコースを同じ時間をかけて来た場所へと戻る様な表現。
僕が最初観た時わかりづらかったのはココで装置を起点に〈未来へ向かう時間軸、過去へ向かう時間軸〉の同一人物が存在しており装置を使う時だけどの時間軸にも居なくなる表現が?ってなりました。
トリックとして面白かったのは〈通常の時間軸〉の自分と逆行する自分が戦うシーンはなるほど〜っと手を叩きたくなるシーンでした。
初見では難解でしたが2度鑑賞して気づいたのは不自然な描写やアイテムにカメラワークがフォーカスされている。
例えばニールのカバンに赤い紐で下げてあるコインは彼の存在を最初からほのめかしている。
ニールの発言も元々〈名もなき男〉を知っている。
またセイターとキャットが共に訪れた〈装置のある港〉最初のシーンで鉄格子の向こう側にある車に〈名もなき男〉が酸素マスクを付けて乗車している。
キャットの回想で船から海へと飛び込む女。など
初見で分かった物もあるけどニール関係ネタは多すぎてさすがに1回じゃわかりませんでした〜
ココからは物語の考察
※個人的な考察なのであっているかは保証できません!
個人的に初見で分かりづらかった〈最終決戦のスタルスク12〉と〈ベトナムでのヨットでのキャットとセイター〉を考察。
まず〈スタルスク12〉と〈ベトナムのヨット〉は同じ時間軸。
そして冒頭のキエフのテロの事件と同じ日。
(序盤で14日にスタルスク12で謎の爆破があった事への言及とおそらくこの爆破は最後の〈名もなき男とニール達の脱出〉爆破のシーン)
〈スタルスク12〉ではニールの活躍により〈名もなき男〉は助かる。
(主に時間の逆行から順行に切り替え爆破の寸前で引き上げた。)
しかしラストの別れの後に時間を逆行し扉を開け〈名もなき男〉の変わりに撃たれて死んでしまう。
だがこれも未来の〈名もなき男〉との約束であり友情でもある。
現時間の〈名もなき男〉にとっては友情の始まりであり別れだ。
〈ベトナムのヨット〉
結論から言えば最後にヨットに乗っていたキャットとセイターは未来から逆行して来た方であり忌まわしヨットでの記憶がある場所でケリをつけたのが最後のヨットシーン。
つまりこの時間軸のセイターはヘリで別の場所に向かっておりヨットへ戻って来てはいない。
キャットも同様で別の船で息子と離れている。
(その証拠として序盤のキャットの回想で女が船から海へと飛び込んだ影を観て浮気相手と思っていた。)
初見でこのシーンのセイターが過去の人物か未来の人物か分かりづらかった。
そしておそらく1週間〜2週間程度の時間を行ったり来たりしているのがこの作品の時間軸‼︎