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TENET テネットのkazuuuのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.1
大好物なんですよね、こういう映画。

ノーランがずっと撮りたかったスパイ物に、お得意の時間を絡めたSFアクション映画。

巷で言われているように、かなり難解です。難解な理由の一つとして、映画内での説明不足があるでしょう。

大筋を知った上での二回目の鑑賞でも、序盤の説明のテンポが速いと感じましたし、想像で補わなければならない箇所もあるからです。(物理と数学から逃げた男にとっては、理論の説明がないのがなお辛い)

しかし、その「よくわからない」シーン一つ一つを、理屈でこねくり回すのが楽しいんですよね。あーだこーだと誰かと話して、答え合わせしたり、仮説を確認するために何回も観に行ったり。「面白かったー」だけで終わらず、一日中語りたくなる映画。そんな作品だと思います。


追伸

本作だけ観ると、ノーランは説明下手のように感じます。
個人的に最も気になったのはカーチェイスのシーン。想像しなければいけない部分が多すぎる気がします。
しかし、過去作を観る限り、論理が飛んでいる事に彼が気付かないはずはない。とすると、観客を混乱させるためにあえてやってるのかも…
おそらく、彼の頭の中では話が繋がっているのでしょうから。


「難しい事を分かりやすく説明する天才」スピルバーグ監督だったら、エントロピーをアニメーション使って説明したんだろうな。ジュラシックパークのDNA入手の話みたいに。でもそうすると作品のスピード感は落ちるな、なんて妄想する日々を送っています。
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