め

空の青さを知る人よのめのネタバレレビュー・内容・結末

空の青さを知る人よ(2019年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

私は不器用すぎるあおいにも、誰かを大事にするあかねにも、真っ直ぐに夢を追いかけるしんのにも、挫折して色んなものを見ないふりをするしんのすけにもなったことがある

忘れていた何かを思い出すような映画だった
若くで大事なものの順番を決めて、それを貫くあかねの強さと優しさに泣けた


最近のアニメ映画って変に綺麗すぎてリアリティがないというか、いや、そこもいいところなんだけど、
綺麗に見えすぎてて、違う世界って感じなんだけど、この映画は変に綺麗すぎなくて写真かと思うほどの背景はさすがとしか言いようがない

「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」
劇中であおいとしんのが空を飛ぶシーンを見た時、そう言えばしばらく空なんて見上げてなかったことを思い出した
空は広くて青いというそんな当たり前のことを忘れていた
日常にある幸せを見逃していた

あおいはあかねが井の中の蛙に見えたのかもしれないが、空の青さを知るあかねを私はとても羨ましかったし、素敵だと思った
でも、あかねにとっての空の青さは、あおいのことだったんだろうな

あおいの「泣いてないし!」というセリフにあおいの強くなりたいという気持ちが溢れていて涙がでそうになった

しんのが未来の自分(しんのすけ)を叱咤するシーンもグッときたなぁ
あおいが「しんのは人のことをあんな風に(しんのすけ)悪く言ったりしない!」みたいな事を言ってた後だったから、自分には厳しいしんのがカッコよく見えた
「ちょっとでも将来お前みたいになってもいいって思わせてくれよ」その言葉がまるで自分に言われてるようでハッとしたな
今の私は、過去のなりたかった私になれてるのかな

声優陣の吉沢亮をみんな絶賛しているので吉沢亮の方は他の方に任せる。よかった。
しかし、わたしは若山詩音さん(あおい)がすごく、すごくよかった

大号泣はしないけど、劇中はずーっと泣きそうになる
胸にくるものが何度も、何度もあった

エンドロールでしんのすけとあかねが結ばれたところを見ると、しんのすけは立派なミュージシャンになったのかな
あおいはしんのすけのバンドのベースになれたのかな
どうか、登場人物みんなが、ずっと幸せであることを願ってしまうような映画だった

なんだか私も過去にタイムスリップした気持ちになれた

大人になった今、見れてよかった
誰かを思う気持ちを思い出させてくれてありがとう
あの頃の友人に会いに行こうかな
め