不勉強なことにイップ師匠を知ったのは去年の春。うどん県に旅行した際、友人たちと外伝を見るためにストリーミングで追いかけた。よって、正伝は初の劇場鑑賞。2のテーブルを飛び回る戦い、3の詠春拳vs詠春拳、奥さまには頭の上がらないイップ師匠がお気に入りくらいのスタンス。つまり、熱量と知識はそんなに濃くも深くもない。ブルース・リーよりもジャッキーが初のカンフー映画という点で、そちらにもそれほど熱量がない。
よって、やや客観的な視点で見てしまうので4は蛇足に思える感も。ただ、イップマンSAGAの大団円としては、たまらない人にはたまらないのだと思う。
敵キャラに関しては、過去作の焼き直しと見るかマンネリと見るか、「これぞ本シリーズよな」とニンマリするのかで変わってこよう。あと、イップ師匠が詠春拳を使うとやはりテンションが跳ね上がる。良き。
敵の一等軍曹、学校のビッチなどは出てくるだけで不快指数が上がるが、それもまた味。ではあるが、全体的に脚本の微妙さは漂う。
まあしかし、「米帝め!」と何度思ったことやら。真の敵は偏見と差別なわけなのだけれども。空手にスニーカーという出立の兵士たちは滑稽で笑いました。アメリカと日本が仮想敵とも思えちゃうかも。詠春拳vs他武術というスタイルのために政治色を濃くしてしまうのはやや残念に思います。くどいし。
ドニー・イェン、お疲れ様でした。