考えさせられる作品。父親から虐待を受けている3人の子供を守る為に夫を殺めた母親。母親の服役中、殺人者の子供として、いじめを受け、心に傷を負ってしまう。子供の為にしたことが子供を苦しめる。どうしたらよかったのだろうか?本来なら一番安心で安全な家庭が、父親によって地獄の状況。家庭の中で一番力の強い男に、抵抗できない子供が支配される恐怖は想像を絶する。たらればを言っても意味がないが、きっと母親は、このまま虐待が続いたら子供達の心も身体も壊れてしまうと思い行動したと思う。そして子供達も一瞬だけ安心したはずだし、母親を心配したはず。母親のいない15年間、子供達も相当苦労しただろうが、心の片隅には母親を想う気持ちがあったはず。そこは頭で分かっていても素直に許せない葛藤を佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優が流石の演技で見せてくれる。さらにそれを上回る田中裕子の演技には脱帽である。佐々木蔵之介のエピソードも作品を盛上げてるが、これはいる?3兄妹の親子関係との対比なのかな?個人的には、佐々木蔵之介のエピソードだったら、前半で父親の虐待をもっと深く描いた方が良かったかなぁって思った。それにしても大悟には笑ったわ。