ゴン吉

ひとよのゴン吉のレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
4.0
家庭内殺人事件によって崩壊した家族の再生を描いたヒューマンドラマ。 
田中裕子、鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優、 佐々木蔵之介らが共演。 

平成16年5月23日、港町の大洗でタクシー会社を営む稲村家。家族に暴力を奮う父親を見かねて、ある晩、タクシードライバーの母親(田中裕子)が、父親をタクシーで轢き殺す。その後、長男は結婚するも妻とは上手くいかず別居。次男は母の記事を踏み台にして小説家を目指していた。末娘は美容師になる夢をあきらめ、タクシー会社を引き継いでいた。15年ぶりに母親が子供たちの元に帰ってくる…

15年前のひとよに起こった殺人事件をきっかけに崩壊した家族が、不在だった母親が戻ってきて再び絆を取り戻そうとするヒューマンドラマ。
家庭内暴力が絶えなかった父親がいなくなることで「これからは好きなように暮らせる 自由に生きていける 何にだってなれる」はずだった家族。
しかし家族による殺人事件ということで社会的な批判や嫌がらせをうけるこになり、家族にとってかえって辛い日々が訪れる。
それに耐えながら生きてきた子供たち。
そんな子供たちの前に15年ぶりに母親が戻ってくる。
心が揺れる兄弟たち。
家族の絆を修復しようとする母親。
そんな家族に子供とうまくいっていない従業員のタクシー運転手が絡む。
それぞれの思惑と気持ちが交差する。
「ただの夜ですよ 自分にとって特別なだけで 他の人からしたら何でもない夜なんですよ でも自分にとって特別ならそれでいいじゃない」
最後はやるせない気持ちの一方で、しみじみと暖かい気持ちを感じる佳作です。 

2024.1 テレ東で鑑賞(シネマクラッシュ)
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