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ペトラは静かに対峙するのtheocatsのレビュー・感想・評価

ペトラは静かに対峙する(2018年製作の映画)
2.5
素直じゃない凝り過ぎたねじくれ家族悲喜劇

7章建てとなっているがいきなり2章からスタートしたりその他章順番も入れ替えたりと、なかなか製作側の意図が汲み辛い構成。

要は不義不倫不誠実で取り持っているねじくれ家族と、その家族の元に嫁ぐことになった芸術家女子らが織りなす悲劇であり、底意地の悪いシニカル喜劇といった趣。

ネタ晴らしをするとかなり鑑賞の味わいをスポイルすることになるので、まずは人物相関をよく記憶しながらそのまんま映画を見通すのが宜しいようで。

若い女性と老人男子という二人の芸術家が対峙することから、芸術映画的雰囲気もないことはないが個人的にはうなるような芸術的センスをそれほど感じ取ることは出来ず、カメラの静かな横移動やズームなどに多少の深みと厚さを感じた程度。

総体的にはじっくり見させられてはしまったものの、構成や演出ギミックに頼りすぎ、いみじくも映画の中のセリフ「鑑賞者の立場に立って制作されていない」作品としてしか印象に残らなかった。
でも一風変わった雰囲気を味わいたい時にはいかもしれない。

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