柏エシディシ

デッド・ドント・ダイの柏エシディシのレビュー・感想・評価

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
3.0
「ジャームッシュがゾンビ映画!?」って、初めて聞いた時は思ったけれど、観てみたら、ちゃーんと「ジャームッシュ」で「ゾンビ」映画だった。

マジメなゾンビ映画マニアやホラー映画ファンはきっと怒るだろうなw
肩の力を抜いて、ゆるりと楽しむのが宜しいか、と。
昨今のやたらとサービス精神と意識の高いゾンビ映画に慣れている若い映画ファンは退屈に思うに違いない。ゴメン。これがジム・ジャームッシュだよ〜?
これが良いんだよ〜?と、要らぬ擁護をしたくなってしまう

ジャームッシュ過去作と比較すると、一番近い味わいなのは「coffee&cigarettes」だと思う。
内輪ネタのはさみ方とか「しょーもなw」っていうエピソードの感じとか。
でも、不思議とまた味わいたくなるあの妙味。

メチャクチャ力の篭った大作、傑作が続いていたアダム・ドライバーが最高にヌケた演技をしていて最高に可笑しいのをはじめ、いつもの常連組がみんな美味しい仕事やってるのがファンは楽しい。
ティルダ・スウィントンの人間離れした魅力は相変わらず。今年60歳よ?あのヒト。
個人的には、所謂「かわいい」とは真逆の格好なのに、抜群にかわいく見えるクロエ・セヴィニーがMIP。
ただ、取り乱してるだけなのに。なんでこんなにキュートなんだろ。

時節柄、パンデミックがどうのとか、フェイクニュースがどうのとか、という論説を引っ張りだしそうな所だけれど、そんなの野暮ったく思えちゃうくらい軽やかで、逆に頼もしくも楽しかった。
都内自粛要請の中でのレイトショー。劇場は埋まっていたぜ。ザマァミロ。
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