まめだいふく

デッド・ドント・ダイのまめだいふくのネタバレレビュー・内容・結末

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

 割と序盤のパトカー内のシーン。ラジオを付けたら流れ出した歌『デッド・ドント・ダイ』を耳にしてビル・マーレイ演じる所長が言う。「聞いたことがある」それに対してアダム・ドライヴァー演じる巡査が言う。「これはテーマ曲だ」 ここで、この映画はまとも(?)なゾンビ映画じゃないということに気付かないといけない。そうでないと、それからの展開についていけなくなる。「今のはアドリブか?」「台本を読んだ」など、メタ発言は後半にもあるのだ。
 とにかく、ゾンビだらけの町を生き残った数人の男女が逃げまどいながら脱出を試みるというようなお決まりのサバイバルホラーだと思ったら大間違い。登場人物は多いし、キャストも豪華で、一癖も二癖もありそうなやつらばかりだが、その割に重要人物は少ない。少年院かなんかの仲良し三人組は、ストーリーに全然絡んでこないし、セレーナ・ゴメスもあっさり死んじゃう。せめてゾンビにしてあげてよ。
 ティルダ・スウィントン演じるゼルダも、素性が明かされぬままUFOに乗ってどっか行っちゃうし(そんなティルダが、葬儀屋から警察署に向かう間、直角に曲がりながら歩く姿が個人的にツボだった)。世捨て人も悟ったようなセリフを言うだけで何もしない。巡査が「ひどい結末になる」と早々にネタバレしていたように、地球の自転軸がどうこうとか、動物たちがいなくなった謎とかの伏線回収も何もないまま映画は終わる。
 じゃあこれは駄作かというとそうでもない。個人的にはかなり楽しめた(セレーナ・ゴメスがゾンビ化してたらなおよかったんだが)。ただ、先にも少し述べたけど、ほかのゾンビ映画とはいろんな意味で一線を画す内容なので、それを前提に観ないと楽しめないと思う。
 それにしてもダニー・グローヴァーがゾンビを演じる日が来るなんてなぁ。
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