Jimmy

女性操縦法 “グッドバイ”よりのJimmyのレビュー・感想・評価

3.5
太宰治原作であるが、なかなかコミカルな物語をテンポ良く見せてくれる娯楽作品。

高峰秀子、森雅之が主演。(あの『浮雲』とは全く異なる雰囲気。)

雑誌編集長の田島という男(森雅之)が女たらしであり、資産家の娘(この時点では不明)から結婚申込みがあったため、田島が結婚約束をした女性4人と次々と別れていく様が描かれる。

その4人の女性と別れるために、永井きぬ子(高峰秀子)という方言丸出しの「かつぎ屋」に田島の妻を演じてもらって、4人の女に次々と「妻をもらったから“グッドバイ”」と別れていく。
このあたりがテンポ良い。
高峰秀子演じるきぬ子は喋ると方言丸出しなので、可能な限り無口で通しているあたりが面白い。

更に面白いのは、終盤で、資産家の娘は実は「永井きぬ子という田舎娘を演じていた船越絹代(高峰秀子が二役)」という驚かせてくれるあたり、「方言丸出しだが美人という女性」と「優雅な口調で資産家の娘」の二役を演じた高峰秀子が素晴らしい。

この映画が作られた1949年頃の銀座の風景も、見どころではないだろうか。

なかなかの佳作。
Jimmy

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