かちかち映画速報

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのかちかち映画速報のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

お金にどん欲になるのは悪いこと?
 芸術作品を作品を金儲けの道具に使うな、これがこの映画のテーマなんだろうけどピンと来なかった。「自分の作品を金儲けに使うな」と怒るアレックスの気持ちが分からない。むしろお金に正直なエリックに感情移入できた。好きなことして、それが誰かに心を動かして、お金をいただく、幸せなことだと思う。

展開は創造と違ったけど面白い
 話の流れが想像してたのと違った。最後の最後まで9人の中から犯人を予想しながら見るものと思っていたら、早い段階で犯人が判明したので驚いた。序盤は動きも少ないし、本の引用ばかりするインテリ集団に頭が疲れる。しかし、アレックスの企みが露見し、エリックが彼らを追い詰める辺りから急速に面白くなり始めた。
 刑務所にて、アレックスがエリックに「自分が著者だ」告げるシーンは予想できなかったのでゾクゾクした。アレックスがやたら「著者に会わせろ」って言ってたのは、エリックがジョージズを殺害したと知ってたからなんだね。
最後の子供時代のアレックと書店経営者のジョージズが抱き合うカットが心に残る。あの一瞬の絵だけで、アレックスのジョージズに対する想いと、怒り、悲しみが伝わってくる。バリバリのミステリーというより、静かな復讐劇と楽しめた。思ってたのと違ったが、良い意味で裏切られたので満足だ。