oucky

わたしは光をにぎっているのouckyのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
3.9
セリフはホント少なめ、物語も何か特別な事が起こる訳でもなく、淡々と進む。
ロングショットがとても繊細で魅力的な情景を映し出す。

ポエトリーな作品だ。昔はホントこの手の映画が苦手だったなぁ 笑。

ロングショットの持つ絵画の様な情景や、絶妙な間、役者の持つ魅力、その手のモノがやはり、よく理解出来なかったんだろうなーと思います 苦笑。
今ならほんのちょっとは理解できるかな?

しかし、ホントよく計算された作品だと思う。話の流れから、ワンカットに至るまで、音楽の使い方、役者の演技、その積み重ねが
結末に向かい収束していく様はとても気持ちいい。
引き算を繰り返して、無駄なモノを削ぎ落とした後、ほんのちょっとだけ足し算をする。
そりゃ、ぐっと来るわー。

そして特筆すべきは主演の松本穂香の芝居。
多くを語らない、人見知りな仕草、困った様な笑顔、など、セリフが少ないキャラを身体で十二分に表現する。その演技は観る者の目を釘付けにする。

お辞儀一つで、これ程表現するかと思う位!

普段見ないタイプの作品だが、たまにこの様な作品に出会える事を映画の神様に感謝したい
oucky

oucky