アラシサン弐

わたしは光をにぎっているのアラシサン弐のレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
4.0
社会の流れから取り残されかけてる人達の健気さがあまりにも輝いてる。

この作品のなにが健気かって、ジェントリフィケーションに真っ向から抗う訳でも、居場所がなくなることに対して絶望してしまう訳でもなく、終わりを突きつけられている中で「どうやって終わるか」に光を当てて向き合っていく姿だと思う。

居場所を提供し続ける為に自分が居場所を保ち続ける人もいれば、自ら違う居場所に独立しに行く人もいて、何というか居場所に固執することも巣立つことも善し悪しはその人次第になるんだよなと考えさせられた。

個人的には、主人公の微妙に社会不適合なキャラクターに妙な親近感を覚えてしまって好感だった。
処女イジリされて貞操観念の話題されてるときと、海外のコミュニティに放り込まれてるときの表情の違いで、彼女が何を基準に居心地の良し悪しを判断してるか感じ取れるというか、台詞とかで人となりを説明し過ぎないのも良い。

序盤のロクに口も聞けずに社会に馴染めない姿から考えると、終盤にかけては文字通り何か光をにぎりはじめたような頼もしさがあって、「祖母の過去の言葉」だけでここまで成長させる展開は中々に驚異的。

同時に、主人公と銭湯の親父の結末には、
居場所に取り残されていたとしても、その中でも前に進めることを見せてもらえた気がして、自己肯定感あげられた。
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