このレビューはネタバレを含みます
わたしは光をにぎっている。親しい人も、街ですれ違う知らない人も、みんな光をにぎっている。人を信用することはとても難しくて、どうしても最初は疑いや相手を探るところから入っしまうけれど、もっと周りを信頼しても良いんだと思った。心が少し世界に向けて開けた気がした。消えてゆく街も、記憶も、誰かの生きた熱と絡み合っていて、それを壊して、また作って、進んでゆく私たち、もっとしゃんとしたい。そして、光や風、水の音、山並み、街。わたしたちの身の回りにある自然や街がこんなにも美しくて、心を包んでくれていることを、場所が、自分を支えてくれていることを、いつも覚えていたい。映画に映し出されるすべてが、瑞々しくて、ちゃんと生きていて、その温もりが心に滲みた。
言わないことで自分を守ってるんだよ。という言葉が自分に向けられているようでどきっとした。言葉にできないってその一言で感動も、悲しみも、怒りも、いつも片付けていたけれど、ひとつひとつ考えて、言葉にして、それが心になって、いつかわたしの光になるって、教えてもらった。