くじら

ノー・マンズ・ランド 西部戦線のくじらのネタバレレビュー・内容・結末

2.3

このレビューはネタバレを含みます

 第一次大戦の映画は1917や戦火の馬、西部戦線異状なしなど、イギリスかドイツ視点でしか見たことがなかったので、フランス視点のものを見ようと思って見た。正確にはオランダだけど。

感想
 第一次大戦は戦局によって様々な兵器が導入された戦争でもあり、クリスマスまでとの楽観的な感覚がこの映画でもやはり見られた。主人公はオランダの人で外国人部隊に所属していたので、フランスの他の外国人部隊の黒人とすれ違ってちょっと驚いていたりしていた。
 どの映画でも思うけど、この戦争に参加した若者はどこの国でも愛国心と楽観的だったことは共通してるなと思う。少し前までは🐎に乗った騎馬隊で戦う戦闘だったのに、銃が発達したために塹壕戦になったことに主人公のアーサーも思ってたのと違う…となっていた。戦闘で友人を失い、また悪化していく戦況が報道されていないこと、戦争に行ってない人からの激励に心を乱されるところなど、戦争に行って周囲と感覚がズレてしまうのはこの戦争でもどこの国でも同じように起きてるんだなと思った。
 映画としての出来は上記の映画を見ていたらそこまで戦闘描写が凝っている訳でも戦場での感情の揺れを描いているわけでもない。アーサー・クナップという実在の人物から見た第一次大戦という感じ。

あらすじ
 オランダに住むアーサー。父はパリで有名な批評家をしていた。将来を決めかねていたそんな時に戦争が始まり、アーサーは友人と共にフランスの外国人部隊に志願する。しかしこの戦争は想像していたものとは違い、塹壕を歩いて銃で撃ち合うというものだった。友人を目の前で亡くしたアーサー。それでも徐々に慣れ、新しく入った新入りの面倒を見たりする。しかしそこでずっと心の支えにしていた療養中だった父の訃報が入る。
 休暇を与えられ恋人のもとへ帰るが、市中の人々の認識と前線の戦況との差に心を乱されるアーサー。ドイツ軍によって毒ガスが使われ、布のマスクという心許ない装備しかなかったのに戦闘中にそれまで外されガスを吸い込んでしまう。何とか危機を脱したアーサーは前線に取り残されていた新入りを呼び、新入りに向けて発砲したていた砲台を3人で倒し帰投する。その後、戦争から帰ったアーサーは毒ガスにやられてしまい、恋人や仲間に見守られる。
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