普段、韓流モノは全く観ないのですがアカデミー作品賞受賞ということでTVで視聴しましたが流石の面白さでした。
内容はまさに半地下生活に象徴される貧民層と一部の富裕層との相容れることのない悲劇なのですが前半は思いの他コメディタッチ。
TVでは神木隆之介が吹き替えを担当していたせいもあってか主人公のイケメン感がより強調されてテンポ良く話が進みます。
とりわけ面白いなと感じたのは、何となく多くの日本人が抱いている韓国人に対するステレオタイプなイメージがあると思うのですが、本作に出てくる登場人物がもれなくこのイメージ通りの人物ばかりで、そこが潔いというか、この映画がアカデミーで評価されたこと自体、韓国社会にとって果たして好ましかったのかという気分にすらさせられる点です。
そういう意味ではこの映画は韓国に対して色々とイメージを持ってしまっている方にもお勧めできると思いますし、自分的にはこうやってある種、自国文化に批判的な作品に意欲的に取り組んだポンジュノ監督の知性やそれをエンタメとして許容する韓国の映画界に改めて敬意を感じるようになりました。
なんとく個人的なイメージとしては故伊丹十三監督に近いテイストでしょうか。まさに昨今の日本の映画界が軽視してきた部分のような気がします。
ということでいつまで経っても近くて遠い隣国、韓国ですが、そこに住む人々の現在のリアルな顔が垣間見える、実に面白い作品だと思います。
