はっぴー

パラサイト 半地下の家族のはっぴーのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.7
〈人生を失敗しないコツは、無計画でいることだ〉


アワード期間ということもあって、今後映画賞を受賞した映画のレビューが増えると思います💦「〜賞受賞作」とうるさく書くかもしれないのですが、ご容赦を🙇

本作は、2020年米国アカデミー賞で作品賞を含む4部門受賞した作品。日本公開時も、47.4億円と大ヒットした作品です。
裕福な家庭に寄生し始めた半地下家族の転落劇かと思いきや、中盤からどう着地するか分からないカオスな展開が繰り広げられる。登場人物が同時かつバラバラな場所で動き、最終的に一つの結末に収束していく様は見事な脚本や演出だなと感じた。ただのコメディだけではない、韓国の貧富の差とそれによる物事の捉え方の残酷なまでの比較が中盤以降の物語の大きな鍵となっていた。
噂に違わぬ名作でした!


↓以下、ネタバレ含みます!
1番上のセリフは、父親が避難所で言ったもの。でも、これは人生における”目標”がないからではないかと思う。何か目標があれば、自然とそれに向かって計画を立てて、物事にあたろうとするだろう。でもこの父親は明確な目標がなく、その場その場を生きていければそれでいいという刹那的な感じが見受けられる。終盤雇い主である社長を殺害してしまうのも、貧しい自分を暗に侮辱し続けたことへの怒りによる刹那的な行動だったと推測される。もちろんこれは父親のせいだけでなく、貧富の差が拡大している韓国の環境が原因ではあるし、それによるものの考え方が異なってしまっていたこともその一つだ。
ラスト、息子が父親との再会のため邸宅を購入するという目標を立てるところで物語は終わる。そこにどんな計画があるかまでは描かれていないが、父親とは異なる人生の歩み方をしようとする息子の姿を見れたことが救いだと思った。
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