「鼻をつまむな」
恥ずかしながら初めてのポン・ジュノ作品。話題作ですし観ちゃいますよね。なんせパルム・ドールですから。
全員無職だけど、仲はいいギテク（ソン・ガンホ）家族。長男ギウ（チェ・ウシク）に名門大の友人が紹介してくれた高額な家庭教師の仕事が、久々にできた唯一の固定収入。家族全員の助けと期待の中で、パク社長（イ・ソンギュン）の家に向かうギウ。グローバルIT企業のCEOであるパク社長の邸宅に到着すると、若くて美しい奥様ヨンギョ（チョ・ヨジョン）がギウを迎えてくれる。しかし、このように始まった全く正反対の２つの家族が出会ったあとには、止めることのできない事件が待っていた…。
冒頭の印象的には「万引き家族」にもっとブラックコメディ要素を打ち込んだ感じでした。恵まれた家族と恵まれない家族の対比をコメディ要素多めに描くのかなぁと。でもそこだけでは終わらないんですよね。そこが凄く良かったです。ネタバレになるんで多くは語れませんが。
前半はコメディ要素が主。お金がなくても愛があればなんとかなると感じさせてくれます。テンポの良いストーリー展開に優雅なクラッシック音楽、気づけば時間が過ぎてました。
半分を過ぎたあたりから一気に事態は悪化していきます。目が離せない展開に多少のグロも入りかなりの緊張感。
前半では笑って済ませていたことも時間が過ぎるにつれ徐々に笑えなくなります。前半部分でケラケラ笑っていただけに笑えなくなったとき現代社会の問題が頭をよぎります。
貧富の差は意識せずとも生まれてしまいます。むしろ、意識されていない部分に一番の格差が生まれるのかもしれません。自分の努力次第でどうにでもなるなんて考えは美化され過ぎているのかもしれません。
今作が現代社会に対しどの様なメッセージを持っているかはなかなか理解できませんでした。ただ今作が多くの物議を醸し出す問題作だということは確かです。
