このレビューはネタバレを含みます
・ジョーカー、万引き家族、カイジ(テイストちょっと違うけど)などを立て続けに観て毎回思うのは、自分はどの層に共感し、帰属意識を持っているのかということ。上と下しか描かれないので、中流階級はどちらにも属してないんだろうけど、どちらにもなり得る可能性があって、だから余計に怖さを覚えるんだと思う。
・「地下」「半地下」「地上」で暮らす3つの家族を描いた作品。こういう暮らしをしている人がいるということさえ、隣の国なのに知らなかった。北朝鮮のシェルターを構えてることも。自分の家にあったら本当に怖いだろうなぁ。
・途中まではコメディータッチ。普通にコミカルで笑えた。しかし、地下に入っていくカメラワークで一気に怖さと恐怖に変わっていった。地下に何があるのか、忘れ物が何なのか想像できなかった。
・臭いの描写が秀逸だった。当たり前だが、画面からは伝わらないのだが、それがマジマジと分かる。
・洪水になった時に逆流するトイレの上に座る娘の姿に心臓が締め付けられるような気がした。心が痛いってこういうことかっていうくらい辛かった。
・お金を稼ぐという当たり前の前提に立ち返った息子の妄想。しかし、まだ現状は何も変わっていないという結末も心に重くのしかかる。