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パラサイト 半地下の家族のkonoesakutaのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.7

傑作。

どんな人が嫌われるか誰かと話していたとき、不潔な人が一番嫌われるという結論に落ち着いた。体臭。体臭には気をつけなきゃ。体臭に込められた生活水準というものがあるのかもしれない。それは悲しくも脱出できない家族の匂い。人は匂いで階級を決めるのかも。

その専門分野において高スペックにもかかわらず社会に溶け込むことのできない家族、韓国社会の闇をしっかりと描いた。高台の豪邸に住む人間から見れば都市の最下層に住む人間の生活など想像もできないだろう。

その高台に住む人間は半地下に住む人間の体臭もまたわからないのだろう。なんだろうこの匂い、確実に臭うけどなんなのだろうって。まさか最下層の体臭だなんて。

そしてそこにこそコンプレックスを感じる優しい中年男。コンプレックス。息子や娘に対して満足な将来を用意できない優しい父親が飄々と描かれる。

何にパラサイトするのか。そこは本当に見所だと思う。