想像よりかなりコメディ色が強く、見やすい映画だった。というか、ジャンルとして基本ブラックコメディだと思う。それでも最後の方はきっちり締めてくる。これパルムドールだっけ、去年の万引き家族もそうだけどカンヌは趣向がはっきりしてますね。ジョーカーのことを考えると世の中の情勢的なものも後押ししてるとも言えるのかな。
韓国映画の割にねちっこさが控えめ(偏見)。グロさやバイオレンス当然あるよね、やっぱあったね、でもだいぶ控えめ。見やすい。
それにしても主人公は大学落ち続けとは言え家庭教師として気に入られるだけの力もあるし、他の家族も同様。地下の住人も法律関係の本が山ほどあったのを考えるともとは学がないわけでもなさそう。元アスリートのお母さんも家政婦も装いで化けるし、何が地下や半地下とを分けるんだろう……などと。
ラストの遠大な計画、「計画など立てない方が良い、立てなければ挫折することもない」という父の言葉を思い出させる。学習性無力感みたいな、経験に裏打ちされた言葉。これもわかりやすい。しんどい……。