半地下家族というタイトルからも思い浮かぶ通り、地下に生きる家族↔︎地上に生きる家族の対比を通じて、貧富格差に対する問題提起を唱える映画だとは思うのだけど、興味深かったのは主人公の家族はあくまで”半地下”であり、地上・半地下・地下という３つの対比構図になっていた事だと思う。
下を見ればすぐそこには、長くその状況にいる事でもはやその環境を心地良いと感じている地下住民の姿があり、自分たちは決して彼らとは違うと彼らを見捨てる。しかし上を見れば、すぐそこにあるのに決して馴染む事の出来ない地上の世界がある。まるで半地下は半地下から抜け出す事は出来ないかの様に。
また、非常に印象的だったのは”匂い”が重要なテーマになっている事。見た目や経歴を偽るだけでは変える事の出来ない人間性の部分を”匂い”で表現していて、それを否定される事は、存在その物を否定されている事の暗示として描かれている。
期待通り、２時間強に登る上映時間の中で１コマの無駄もない映画で、素晴らしいと思ったものの、いくつか自分の中で理解しきれていない部分があったので、以下の点についてはもう一回見て考えてみようと思う。
（誰か教えてください笑）
・地上の家族の高校生の娘と、半地下家族の兄の関係が意味するもの。
・何かと敏感に気づく子供が意味するもの。
・家族の計画における成功とは何なのか。
・なぜ最後のシーンで兄はずっと笑い続けていたのか。
