ばりすた

パラサイト 半地下の家族のばりすたのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞ということで例に漏れずミーハー鑑賞。
しかし納得の作品。

以下ネタバレを含む気付いたポイントを記録としてあげたいと思う。

先ず特に下調べもせずに鑑賞した身としては、半地下というワードがここまで意味深いものとは思わなかった。
水は低きに流れ、人は易きに流れるというが、完全に退廃する訳でもなく光に憧れている半端モンのギリギリのボーダーが上手く表現されていた。

地上と地下、白と黒、光と闇、富豪と貧民、ヘルコリア。
多くのメタファーの中、今この家族が、このキャラクターがどんな状況なのかどんな感情なのか理解に固く無かった。

特に印象に残っているのは家が水没し、石を握りしめたた息子が電灯の明滅に当てられたシーン。そしてその石で頭を殴られて血を流したシーン。

息子はこの石が僕から離れないと言った。父は無計画こそが計画だと言った。
しかし息子は地下の住人を殺す計画をした。そして父の言う通りアクシデントが起こり殺せなかった。
息子が水没した家の中明滅に照らされていたのはまだ半地下の住人として生きていたからだろう。
しかし明確な意思と計画のもと地下に潜った、恋人にもっと下に行くと言い残し。
結果計画はなされなかったが、頭を殴打した彼から流れる血、そしてキッチンに滴る梅シロップ。
白と黒が混ざり合ってそれもやはり半地下。彼は黒く、闇に、潜ることは無かった。


この映画は光や色、深度で多くのことを表していると思うが、次回鑑賞の機会があったらその点を含めてもっと深く観てみようと思う。
ばりすた

ばりすた