考察をすればするほど楽しくなる。1日に1回は思い出して考察してしまうまでに好き。
この映画ですごい感じたことは、無数のメタファーが用意されているところだ。ポスターの中にもあると知ったときは驚いた。それにより格差をより一層強調したり、現代社会を揶揄したりするものもあった。
また貧困層と富裕層の隔たりを様々な形でつくってる。ネットの解説をみなければ気づかなかったものまであった。
最も印象に残った表現は｢富裕層は下をみないこと｣だ。パク夫婦がソファにいたときも、不自然なまでにテーブルの下にいたキム一家に気づかなかった。これは、富裕層は下をみないことを裏付けるものである。反対に富裕層は常に上を見上げている。ギウがパク一家に向かう道中も、しつこい程に階段をのぼるシーンが映された。
この映画をみて、一層深刻化する経済格差にどうすることもできない現状があることを知った。裕福な家庭は子供に英才教育をさせて良い大学に進学させ、良い企業に就職させる。貧乏な家庭は子供を塾に行かせることもできず、良い大学にも進学させることができない。それにより負の連鎖が起きてしまう。
無論、自分達にはこの状況を変えることはできない。だからこの映画はそんな世の中を｢変える｣のではなく｢伝える｣ために作られたのではないか。一人でも多くこの現状を知って、数多くある問題のうちの一つとして考えて欲しいと伝えたかったのだと感じた。
