アカデミー賞受賞作ということで気になっていたものの、イマイチ見る気が起きずにダラダラと先延ばし、やっと鑑賞。
社会派ミステリー(??)のなかにもちょっとクスッとできる要素もあったりと、観ているうちにこの家族は最終的にどういう結末を迎えるんだろう?という続きが気になるワクワク感はあった。半地下という貧困層の人々の生活と高級住宅地に住む富裕層の人々の生活の落差がこれでもか!くらいに描かれていて社会問題が提起されてたのも見応えがある。
半地下住まいの人々の社会的に抹殺されたような生活や犯罪を犯さなければ生きていくことが難しい状況を想像すると法のもとに定められた正義など何の意味もないものに思えてくる。彼らの行為は確かに犯罪で、その結末も必然にも思えるけれど…人間の心はそんなに単純な思考で割り切れるものじゃないから、きっとこの作品は多くの人の心に刺さったんじゃないかなぁとも思う。
ラストのお父ちゃんの行動、褒められたものでは決してないけれど…気持ちは痛いくらいに分かるなぁ。だからといって富裕層の家族も悪意があった訳では無い。
社会によって生まれる人間の差別的な思想、世界中どこにでもある身近な問題だからこそ他人事では無い。