復讐の失敗によって、家族の絆と過去を乗り越える素晴らしさを伝えるのが、本作の肝なはず。ならば、ミワとサオリが互いを許し合わないと、ハッピーエンドは迎えられないはず。それをアシストするのが、コユズの役割であるはずなんだけど。。
あのVTR演出はどういうことだろう。あそこは亀田家に感情移入させるところ。大体、あのエピソードだと最低なのは医者だったし、兎草家は娘を助けようとした分同情の余地さえあったけどなあ。その点でミワに葛藤させようとしたのか。「名前覚えててくれた」だけで、考え変わりはしないだろうし。
「ゆっくり生きる」というアンサーも、ちょっと酷いかなあ。やるだけやって気が済んだということかな。それだと、サオリはまだしも、ミワは全く成長してないことなるよなあ。あとコユズ、空気だった。そもそも、“兎と亀”の要素ゼロなんだよなあ。
学芸会なら「すげえ!どんでん返しっぽい!よく考えたなぁ!」と賛辞を送る脚本なんだろうけどね、プロの作品だからなあ…。
でも、メインストリームにおもねらなかったのは救いだった。魂を売らずに、素でスベっただけのことでしょう。監督、応援してますよ。