もの語りたがり屋

るろうに剣心 最終章 The Finalのもの語りたがり屋のレビュー・感想・評価

3.3
最終章二部作の助走

序章の誤字ではなく、本当に助走にあたる作品。
緋村剣心(人斬り抜刀斎)の過去に何があったのか。頬の十字傷に秘められた真実とは。『るろうに剣心』の根幹となる物語が明かされる最終章後編の「The Beginning」を盛り上げる役割を担っている。これを観るとはじまりのエピソードが気になることだろう。

そういう意味では本作は内容としてはやや薄く、過去をティザー的に振り返るシーンでは少し中弛みした印象があるが、アクションの「The Final」とストーリーの「The Begining」と位置付けているようで、アクションにはかなり力が入っている。スタッフとキャストの並々ならぬ熱量が伝わってくる。

一作に詰め込めたかもしれないが、二部作でないと回収できないか。それほど予算と時間をかけた仕上がりになっている。製作費50億円、撮影期間7ヶ月、エキストラ延べ6000人とのこと。

その分アクションシーンの臨場感は手に汗握る。鍛え上げられた俳優たちの動きがすごい。どうやって撮ったのかとメイキングが気になるレベル。
前作を観ていない人も、るろうに剣心を知らない人でも楽しめるぐらい。

あと『るろうに剣心』にはONE OK ROCKのテーマソングが欠かせない。かっこいいし気分が上がる。

「The Final」と「The Beginning」に分けた企画勝ちか。
完結編の「The Beginning」も漏れなく観たい。

※ワーナーブラザーズよりご招待いただき試写会で鑑賞