少なくとも現状の邦画ではトップクラスのアクション映画だし
原作を知らないのであれば十分に楽しめる内容だと思う。
個人的には原作は好きな作品なのでその点から言うと
うーん分からなくはないけど…という感じ。
本作における悪役、新田マッケンユー演じる雪代縁。
これは素晴らしい。
そもそも個人的に原作でも1,2を争うくらい
雪代縁というキャラが好きというのもある。
なんというか妄執の復讐者ってだいたいどの作品でも好きで
善悪問わず理屈が合ってようと合ってまいと応援したくなる性分。
で、本作の新田マッケンユーは声のトーンも絶妙だし
ムキムキマッチョマンではないけど明らかに緋村剣心より
剛の剣術を使うという肉体の雰囲気作りが完璧で良い配役だと思う。
ただ、原作の弱点をリカバリーするための
物語の再構築の仕方が良くも悪くもな出来。
原作「人誅編」の弱点って具体的に何かといえば
中盤以降の敵キャラの魅力のなさと
長めの回想パートによる停滞感で
前者のリカバリーは比較的的確で良いと思う。
問題は後者でこの長めの回想パートを二部作後編に持ってきたことで
雪代縁の妄執と帰結、緋村剣心の過去の大罪への葛藤と贖罪そして復活が
非常に弱くなってしまっている。
というかこの再構築の仕方では二部作とする必要性がない。
本作の最後は「アベンジャーズ」における
サノスの指パッチンで終わらなきゃダメでしょ。
あの人が登場したのはサービスだったけど個人的にはアリ。
そういう世界もありえたと思う。
逆にサービス悪かったのは伊勢谷友介演じる四乃森蒼紫。
あんなことになったからなのかちょっと残念な使われ方だったね。