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大脱出3のmatchypotterのレビュー・感想・評価

大脱出3(2019年製作の映画)
3.1
3部作×4シリーズ、グルグルローテーション。
Part.Ⅳ。3周目①。ついに、最終周。
この企画はこの最終周の連続フィナーレが醍醐味。さぁ、楽しんでいこう。

『大脱出』、完結。
この3作目は1作目の「刑務所の脱獄を公式に行なってセキュリティの甘さを指摘する民間警備会社のやり手」の面影はなし。

2作目は話が飛躍してさらなるハイテク刑務所に拿捕されて、謎の仕組みと陰謀を絡めてのそこからの脱出劇があった。

この3作目のスタローンは“脱出”ではなく、“救出”の方に回る。
しかも、この刑務所はハイテクでもなく、なんなら公的な刑務所というより、テロリストが若干の手を加えた収容所兼要塞みたいな廃墟的な建物。
だから、いわゆる“脱出不可能感”もない。

ぢゃあ、この3作目は何の話で何が完結なのか。
話は1作目には遡る展開。
あの1作目で金に目が眩んで裏切って灼熱のコンテナ送りにされたスタローンの上司のおっさん。
彼の子供からの復讐がスタローン、レイに襲い掛かる。

そのテロリストリーダーが狙うとある企業と資金ととある技術。
この企業とも親子2代に亘る因縁があるテロリスト。
レイに復讐しながら、企業の娘を誘拐して人質にし、企業を相手取る。
違うベクトルの“親子2代の因縁”が混ざり合う展開。

さらに企業の娘と関係がある別の同志も現れる。

テロリストに対して、スタローン&デイヴバウティスタと、企業側の護衛、令嬢の思い人。
この3つのベクトルが共同戦線の構図。

その誰も彼もがそれぞれ際立つ身のこなしでアクションもキレてる。これはなかなか層が暑くて見応えがある。

この令嬢の思い人、どっかで見たなと思ったら『イップマン』に出てきたイップマンに挑んだイケメンのカンフー使いだ、マックスチャン。カッコいい。
無口ながら献身的で、令嬢を救うために命懸けの姿勢に憧れる。

1作目からのオーバーラップ的な話である意味では集大成という形にはなっている。

が、3作目にしてどうしてもここまでの2作、特に1作目はシュワちゃん出たし、すごく仕組まれた話だっただけに、それに比べて勢いの衰えは感じずにはいられない。

レイにとっては結構衝撃的な出来事もあり、復讐に燃えるテロリストの復讐心を上回る怒りの展開なのに、テロリストとの決着も意外とあっさりというか。
怒りのままある意味タメや気の利いたギミックもなく、超ドストレートに一直線にサクッと終わる感じ。

これはこれで良いのか。

あのスタローンの右腕みたいなブレーン的な50セントが少し控えめなのはちょっと悲しい。あのキャラもっと活躍して欲しかった。

ただその代わり、新たなメンバーが躍動してるのは事実。見た目のアクションは盤石。

1作目が圧倒的にレビュー件数多いのは頷ける。
けど、2作目、3作目も話としては繋がってて、スタローンの刑務所破りのノウハウは活かされ続けてはいたのでシリーズとしては通貫してた。


F:1770
M:1563
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