名作再鑑賞シリーズ
セルジオ・レオーネ監督作で私が観たのは後にも先にもこの1本のみ。
自身のアメリカへの思いのすべてをユダヤ移民の登場人物に託し、1923年から1968年までの40数年を壮大なスケールで描き切った遺作。
この度は4時間越えのディレクターズカット版を鑑賞。
やっぱりいい!
重厚で作り込んだ演出にうまく騙されてるのかもしれない。
でもそこが映画的で素晴らしい。
辛気臭いような、しんみりしたノスタルジックな情感が本当にたまらない。
デ・ニーロの憂いたっぷりな演技
モリコーネの優しく切ない旋律
霧にかすむレンガのブルックリン
…これらのかけ合わせが絶妙。
加えて、マックスを演じたジェームズ・ウッズの粘着質な演技や10代のジェニファー・コネリーの美しさも見どころ。
青年期・少年期・老年期が入り乱れての時系列だから、ストーリーテリングとしてはとても良心的とはいえない。
アヘンのラストカットもミステリアスで、カタルシスとはまた違う。
(だって冒頭のシーンと結びつけると、3人が殺されたと認識してるはず)
ただ、観終わると確かなこと。それはマックスのトリックがいかに大掛かりだったか。
非情すぎる。
ヌードルス(デ・ニーロ)の生涯は一体なんだったのだろう。
ギャングビジネスも、女も、友情も、幻影だったのか?
マックスへの最後の対応は実はあれで一番応えたかもしれない。
起承転結とか勧善懲悪でケリをつけず、そこはグレーのまま。
でもしっかりと文脈があるから心揺さぶられる。
たっぷりと時間をかけて、観る側にも時間経過を体感させてからの少年期回想が泣ける。。
構想から完成まで14年の歳月をかけたという執念がスゴイ。
そして4000万ドル以上の製作費による徹底的な時代考証と美術の素晴らしさも圧巻の一言。
※ダンボ地区のマンハッタンブリッジを臨む、本作のヴィジュアルで有名すぎるスポットでしっかり記念撮影してきたミーハーな私。笑