Asino

あなたの名前を呼べたならのAsinoのレビュー・感想・評価

あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)
4.0
11/15
「あなたの名前を呼べたなら」という邦題素敵だね、とは思うんだけど、これを恋愛映画って言っていいのか正直ちょっとわからないなって思った。

若くして親が決めた相手と結婚したけどすぐに未亡人になって、そうなるともう村では「人生終わり」
働いて妹の学費を稼いで、妹には自由な人生を歩んでほしいと思うし、自分はファッションデザイナーになりたいと思ってるラトナは、都会に出てきて住み込みのメイドの職を得る。
彼女の職場は新婚夫婦の家になるはずだったけど、破談になって「ご主人様」と二人暮らし状態になってしまう(ところから話は始まる)

結婚がうまく行かなくてショックを隠せないご主人様はアメリカ帰りで、使用人を人とも思わない彼の家族などお金持ちたちとは少し違う。
少しずつ言葉を交わすようになって、ラトナはご主人を気遣うし、夢に向かって頑張ってる彼女を、ご主人の方も応援したいと思うようになる。

恋愛ものだと思ってみてたから、もどかしいくらい進展しないな、と途中まで思っていたのだけど。
これはそういうんじゃなくて、お互いに周囲の視線や慣習や雇用関係とは関係ないところで、お互いに一人の人間として相手を尊重できるようになってはじめて「対等」な関係になれるし、そこが納得できてはじめて相手を名前で呼べるようになる。って話じゃないかな。

もちろん二人の関係がこの後改めて恋愛と呼べるものになるならそれはそれでいいんだけど。
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