なんとなく手に取った作品。
ストーリー
19歳にして未亡人なってしまったラトナは、ムンバイでメイドとして働いている。雇い主である、御曹司のアシュヴィンは結婚当日に婚約者に裏切られ傷心に…。幸福な新婚生活のため雇われたラトナだったが、デザイナーの夢を目指しながらそのまま彼のもとで働くことになった。優しく前向きに働くラトナに惹かれるアシュヴィン。真面目で誠実なアシュヴィンに惹かれるラトナ。しかし、2人には身分差という大きな壁がありーー
なんとなくで選んだ作品でしたが、思ったよりも優しく素敵な作品でした。
田舎者で忌み嫌われる未亡人に若くしてなってしまったラトナは、ままならない人生の中でもデザイナーとしての夢を持ち前向きに過ごしています。兄の死によって夢を諦めざるおえなかったアシュヴィンは、追い打ちをかけられるように婚約者に裏切られ傷心に。でも、厳しい立場でも前向きなラトナに心を癒され次第に彼女を愛するように。
この作品を観て、宗教上の理由だとは思いますがインドでは未だに身分差があり、一部の女性にとって生きにくいのだなと思いました。アシュヴィンが「都会の男は自立した女性が好まれる」と言いますが、田舎では、古い風習が残っておりラトナのような立場は人生が終わったと周りからは蔑まれ、同じ女性としてやりきれない思いです。でも、アシュヴィンの言葉通りインドも変わりつつあるのかなと思います。
周りからしたらラトナの人生は思わったも同然でも、本人にはこれからも生活があり未来があるのです。それはラトナ自身も言葉にしており、その場面を見て素敵だなと思えました。
そして、『あなたの名前が呼べたなら』という題は、まさにこの作品の全てを表現していると思います。
二人の未来に幸多からん事を、と心から願います。
