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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのtubure400のレビュー・感想・評価

4.3
中学生くらいの時に『アメリカン・パイ』を見てアメリカのハイスクールってこんな感じなのかなぁ、と思っていたのを思い出した。実際現実に近いのはガス・ヴァン・サントの『エレファント』の感じなんじゃないか、と思うけれど、『ブックスマート』の高校は、いくらなんでも楽しそうすぎるだろう。人気者と不人気者みたいな、スクール・カーストみたいなのはあっても、不思議なほど邪気がない。リチャード・リンクレイターの『エブリバディウォンツサム』を思い出した。

若い頃のジャック・ブラックの女性版みたいな主人公と、t.a.t.u.の地味な方みたいな見かけのサイド・キックが、一念発起してニックの家を目指すという話で、なかなかたどり着けない上に奇妙な事件に巻き込まれていく感じが、『真夜中の弥次さん喜多さん』みたいで面白いな〜と思っていたけれど、実際ニックの家についてからのエモーショナルなジェット・コースターぶりがすごい。Pefume GeniusのSlip Awayが流れるシーンでは涙が止まらない。何はともあれ、勇気を出して冒険して、何かを手にするということ。ピザ屋の店員の言う通り、そんなに他人を信用するなよ、とは思うけれども、世界が本当にこんな感じだったらいいよね、と思わされるような映画だった。
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