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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.9
これは、これは、キャラと企画と設定勝ち。
厨二病感とリアルな現実感の融合が絶妙。

自分たちは高校の馬鹿騒ぎ加減から距離を置き、インテリ感を出して勉学に励み、お前らとは違う、あたしたちがここから脱し、良い大学で良いライフを送るのはあたしたちだぞ、アホなお前らとはおさらばだ、ざまあみろ、の卒業式。

かと思いきや、アホで下等なバカどもかと思いきや。
理解できない遊びばかりに興じてるクソどもかと思いきや。

アホだと思って見下してた学校の奴らが、自分と同じかそれ以上の大学進学してることを知る、、、。

それまで必死に一線を画して自分たちだけが目指せる“上”かと思っていたら、遊んでても目指せてたヤツらがいたのかよ、おい、と。

ふざけるな、ということで、まったくその手の騒ぎを避けて遠ざかってた女子2人、一念発起で卒業パーティーで楽しむと決意し挑むのだが、、、。

そもそもそのパーティーとやらはどこでやってるのか、何をして楽しめば良いのか、どう近づけば良いのか、全くわからないまま、とにかくジタバタする彼女たちをひたすら楽しむ映画。

ウケる。
しょーもない話がこの上なく盛り上がる。
なに、あの“髪の毛のマスクで丸腰で強盗”、ウケる。

パーティーの噂を嗅ぎつけては何とか手段を見つけて行きつき、それではないと騙されて、、、。

とにかく、くだらないけど真剣そのものの紆余曲折の数々。
2人が“失われた何か”を取り戻さんと躍起にやる姿がとにかく面白い。

そして、自分が追い求めていたモノに近づき、念願叶うかと思いきや。
自分たちが求めれば掴めると思っていた“何か”がこぼれ落ち、それまでの“何か”すら危うくなる。

学生の頃の“痛い体験”を経て成長する“若気の至り”が一夜で始めて一夜で謳歌し一夜でピークを迎えて一夜で学ぶ、みたいな。

他人が面白おかしくしている姿に憧れて、やってみると意外と楽しめないこともあったりするが、どっちにしてもそれはやってみないとわからない。

そして、やってるうちに、新しい発見があったり、恥をかいたり、自分の言動を恥じたり、迷惑かけたり。

まるで“学校では教えてくれないこと”を、最後の最後で全部学ぶかのような。
“大失敗”と“大成功”を同時に体験するような女2人の意地の集大成の最高に最大瞬間風速的な、思い切りの良さだけで築くド派手な青春。

コレも立派な青春の“学び”なのだ。
この2人の友情、最高。これこそが“誰にも邪魔させない”彼女たちだけの青春。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
https://community.discas.net/announcements/ib1wyncr43idknqm
別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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