このレビューはネタバレを含みます
今の時代に起きても恐ろしすぎるグリコ・森永事件。それを題材に、犯人・被害者の家族の人生を描いた本作。
犯罪に加担したことを知り罪の意識を持ち続けて育った子、それを知らずに優しい家庭を築けた子、2人がようやく顔を合わせたシーンは耐えられなかった。
あまりの違いに。
幸せであることが罪に思えてしまう、残酷な違いに。
実際の事件は戦後最大の未解決事件と言われ、真相は未だ闇の中であるが、本作の出来事はあまりにも生々しく、フィクションには思えなかった。こんなに残酷な出来事は、フィクションであって欲しいとも思った。
ラスト、あんなに子どもたちを狂わせた「罪の声」が、残された家族たちにとって不可欠なものになる。涙を流して抱き合い、その声を聞く。
どうか犯罪に巻き込まれてしまった全ての家族が救われ、温かな人生を歩めますよう。そんな穏やかなような気持ちで終幕となる。
いい映画を観た。
過去に起きた出来事、それに関わった人々について調べてみたいなと思った。