CHIHIRO

罪の声のCHIHIROのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
3.5
いろんな人の感想を読みながら泣いている

当時の事件のとき、私はまだ生まれていなくて、映画そのものを楽しみたかったから事件のことも調べず・原作も読まず鑑賞しました。

鑑賞後、グリコ森永事件のことをWikipediaで読んで、恐ろしく事件に忠実に描かれた物語だったんだなと。

2時間20分あっという間だった。

星野源が出てるからって興味の入り口はそれだけだったんだけど、星野源がフィクションのチカラを信じています的なことを言っていて。私も信じたい。
観る人によっていろんな受け取り方があると思う。いろんなテーマが盛り込まれている。
監督が、色々伝えたいことはあるけど、子どもを事件に巻き込んではいけないってのとだけは絶対伝わるようにしたって言ってた。
うむ。

それはそれとして橋本じゅんさんのシーンで3回くらい劇場のみんなで一緒に笑えてよかった。
ドシリアスな展開しかなかったから、橋本じゅんさんの存在は救いだったし、本当に、流石でした。だいすき。

フィクションとして、映画として十分に楽しんだ私は、確実にいる。
だけど、こんなにありありと、リアルに寄せて作ってしまって、時効になっているけど、犯人は捕まってなくて、被害者はいて、声を使われた人だとか、会社からリストラされた人だとか、警察を辞職したり自殺した人がいる中で、そしてその人たちの家族がこの映画をみたらどう思うんだろう、大丈夫かな、って………

素晴らしい映画なのは重々承知で、少し怖い自分がいる。

もし私が当事者だったら、""すごい映画だったね!最高だった!おもしろかったね!""だけでは済まない気がする。

だから、赤の他人でなんにも関係なくて事件のことも少しも関わりのない私だから、当時の事件に関わっていてもし不遇な思いをしている人がいるのなら、しあわせを、願わせてほしい。

映画そのものは、こんなボリュームのミステリーを2時間20分にまとめていて、かつコミカルな場面も盛り込んで、きれいに終わらせられた野木さんの手腕と、監督と、素晴らしい演技だったキャストの全ての人たちに、感謝の意。

怖くはないけどハッピーな映画ではないと思う。アンハッピーかは受け取り次第。考える映画。ミステリーだからね。

私は、映画としては好きな方でした。
阿久津主人公でドラマやらんかな?笑
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