ゴン吉

罪の声のゴン吉のレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
4.7
実在したグリコ・森永事件を題材にして書かれた塩田武士の小説が原作のヒューマンミステリー作品。

皆さんはレオポンを知っていますか?
レオポンは人間が作り出したモンスターで、日本では昭和時代に関西の動物園で生まれ、マスコミにも取り上げられて世間から注目されました。

新聞記者の阿久津は、世間から忘れかけられている35年以上も前の未解決事件を担当させられる。
この事件は昭和時代の1984年に起きたキツネ目の男による菓子会社脅迫事件で、3人の子どもの声で脅迫が行われたが、金は一切取られなかった。
阿久津は声を使われた子供たちを調べていく。
一方、あるテーラーの主人が、押し入れから偶然カセットテープと手帳が入った箱を見つけるのだが……  

ミステリーの謎解きとして次々に明かされる真実。
2時間半近くもある長尺にもかかわらず、最後まで見応えがありました。
さらにこの事件に巻き込まれた人たちの運命や、社会やマスコミ、警察の不正など社会問題をも取り上げた骨太の作品です。
警察に対する怒り、社会に対する怒り、マスコミに対する怒りが生んだ事件。
子供が抱く将来の夢と直面する厳しい現実。
最期は涙です。
昭和の時代に話題になったレオポンは、何も語らずに人々の記憶から消えていく。
「ではピッタリのスーツを!」  

公開初日に鑑賞
ゴン吉

ゴン吉