罪の声のeleanorのネタバレレビュー・内容・結末

ミステリーっぽさはありつつ、野木亜紀子さんの脚本らしい、人の感情、生き様、報道のあり方についての問題提起も織り込まれた作品。
実際のグリコ森永事件のことは知らないが、リアルタイムで知っていたら、さらに楽しめたように思う。

個人的には、ラストのほうで、望の声の録音を母と聡一郎が聞いた時、忌まわしい事件の罪を孕んだ声が、母の聞きたかったかけがえのない娘の声になり、罪の声の意味が上書きされたような救いを感じた。

事件の真相解明にむかっては割とサクサク進むので、サスペンスのハラハラ感はそこまで多くないが、野木亜紀子さんの脚本が好きなら、達雄に語りかける阿久津の言葉の重み、母と退治する俊也の言葉が響き、望の回想シーンで涙すると思う。小栗旬さんと星野源さんのコンビもよかった。