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ストゥーバーのSPNminacoのレビュー・感想・評価

ストゥーバー(2019年製作の映画)
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『リーサル・ウェポン』とか『TAXI』シリーズとか、凸凹バディものは異文化コミュニケイションによる化学反応が基本だ。刑事バティスタと運転手クメイル・ナンジアニのタッグは、その王道定番をサラッと今らしくアップデート。
バティスタの元相棒刑事は女性、車はウーバー、ストリッパーは男性、そして2人の化学反応は「男らしさの見直し」。マッチョなバティスタと非マッチョなクメイルが、お互いの男性性を批評し合い、思い込みから解放し再定義する。そもそもバティスタとクメイルは、愛を求める優しいキャラクター(プロレスで言えばベビー)だ。5つ星評価だったりGFへの告白だったり娘の信頼回復だったり、個人的で可愛らしいモチベーションである。しかも2人ともマジョリティじゃない。
ただ、その割にバンバン人を殺したり血が出たり痛いアクションが多いから、ちょっといびつなんだけど。そして『ジョーズ』作戦とか笑えるけどネタが小粒、素顔のバティスタさんに主演として華が足りないなど、収まり良く出来た脚本だけにどうしてもこじんまり。でもとりあえず、バディ・アクション・コメディを明らかに更新しようとしてることは面白い。たぶん今後この流れの傑作が出てきそう。
もう一つ現代的な試みは、電気自動車時代のカーチェイス。これも今後は増えていくんだろうな。
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