換気

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリンの換気のレビュー・感想・評価

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アルバム録音と映画撮影が同時に行われ、アルバムのほうは大ヒットを飛ばしたものの、映像のほうは音と画がバラバラで復元困難のため公開が断念された幻のライブ映像だそう。

アレサ・フランクリンという人は知らなかったけどエネルギー爆発してる。
なによりオーディエンスの熱が異様。
そして聖歌隊のノリも異様。

異様なほどの熱狂は、日本の慣習の中で生きるわたし的には羨ましいし美しい。
ワンフレーズ歌うごとに客席からレスポンスが飛んでくるし、
ゲリラ的に始まるダンスタイム、客席の子どもが前に出てきて無心で踊ってるし、
機材のトラブル対応中に自然と沸き起こるバンドのアドリブ演奏。
もう全部素敵。
“レスポンス”の波に圧倒された。
星野源が日本人は感情表現が表にでにくいけどライブ中は好きなように体を動かしてほしい的なことをインタビューで語ってたのを思い出した。
『きみの鳥はうたえる』の中で石橋静河がクラブで踏むステップがなめらかで自由で囚われていなかったのを思い出した。

音楽に乗ってからだを揺らすのって素敵な表現手段。
いま猛烈に踊りたいよ〜。


そしてキリスト教という存在の異様さ。
黒人という人種的連帯、それ以上にキリスト教徒の宗教的連帯が会場にみなぎってた。
『わたしは信仰をもっていて本当にうれしい』とアドリブで歌うアレサと会場の心境は信仰を持つ人にしかわからない。

この感覚、どうにか解したいな。
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