キャサリン子

パブリック 図書館の奇跡のキャサリン子のレビュー・感想・評価

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)
3.7
記録的な大寒波により凍死者が続出する中、緊急シェルターが満杯で入ることが出来なかったホームレスの集団が、図書館のワンフロアを占拠。
彼らの境遇を心配した図書館職員のスチュアートは、代わりの避難場所を求めてデモを始めたホームレスたちと行動を共にする。
しかし、メディアの報道などでスチュアートは危険人物に仕立てられ、さらには警察の機動隊が出動する騒ぎへと発展していく。
現代社会の過酷な現実を背景に心温まる人間模様を紡いだヒューマンドラマ。



ホームレス集団が図書館を占拠?!

この設定からてっきりコメディかと思いきや、現代社会の問題を提示したシリアスな作品でした。
「図書館は民主主義の柱である」「図書館は緊急時の避難場所であるべき」などの言葉がありますが、アメリカでは実際、図書館は本の閲覧・貸出という業務以外に、ホームレスへの社会的支援を行う機関となっているそうです。


アメリカのホームレスの中にはベトナムやイラクで戦った元兵士が含まれています。
国のために戦ったのに、いざ終戦すると社会的弱者として扱われ、まともな福利・厚生を受けられずにいる…。
そんなホームレスも少なくないというアメリカ社会の潜在的問題も浮き彫りになっており、非常に見応えがありました。


ラストはちょっとポカ~ン( ゚д゚)でしたが、そこまでが面白かったから良いか(笑)
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