なつこ

パブリック 図書館の奇跡のなつこのレビュー・感想・評価

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)
3.6
寒波が襲うニューヨークの夜、どこのシェルターも満杯で溢れてしまったホームレスの人々が、生きるために公共機関である図書館に集まってくる。

ホームレスたちが凍死しないように、一晩図書館に泊めてあげればいいだけの話だか、お役所はそんな臨機応変に動かない。
その中で図書館員のスチュワートが、ある種巻き込まれる形で、彼らをかくまうことになる。

人間としてマジクズな市長(暴言失礼しました笑)と、もはや妄想レベルで刺激的な報道をでっちあげる頭の悪いメディア...バリケードを作り中に篭った彼らを、勝手な目線で切り取っていく人々のせいで、大騒ぎの大事件になってしまう。

ガチガチ社会派作品かと思いきや、ユーモアがあちこちに散りばめられていて、ホームレスの実情に明るくない私にも、とても分かりやすく、様々な状況が伝わってきた。

ただ寒波から身を守りたいだけだったホームレスたちが、公共機関に物申し始めたのは、大騒ぎする周りに煽られた部分も大きいと思う。だから、あのラストはユーモアにあふれつつも考えさせられた。
果たして彼らは罪を犯したのだろうか?

でも私もきっと外側の人間だ。
就職できない、住むところがない、頼る先がない、ホームレスの人達の置かれてるそんな状況や、ホームレスでいるしかない社会的事情が全然分かっていない。
日本のホームレスはどうなのだろうか?
この国に死んでしまうほどの寒波はこないけど、きっと日本には日本の問題がそこにあるんだろうな…。
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