都麦

郊外の鳥たちの都麦のレビュー・感想・評価

郊外の鳥たち(2018年製作の映画)
3.8
いつも「文面が早口だよね」って言われるレビューしか書けないんだけど、今日はたぶんゆっくりだと思います……。ボソボソ感想を言いたい映画。大前提、何も咀嚼できてないから俺に話す権利はないのだけど……。

拾った双眼鏡で見る世界。二つの目で観る世界か。

結論から言うと、よかった。全然寝たんだけどね。でも寝てる時もスゲ〜気持ちよかったし、起きてたときに観たものは、ジワ〜っといまからだに入ってきてる感じ。

難解だよね……?普通の尺度で観たら何も分からない。時間も空間も歪められてた感じ。なのにそのワームホールの説明はされない感じ。子どもが一人一人逸れていくとかそういうところだけで寂しさを出していく。観客側に問いかけられる何かがあったというより、淡々とソレを見せられていた気分。

以下時系列ではないけど。
廃バスのシーンが恐ろしく可愛くて困った。髪の毛切れちゃうところも最高だったし、BB弾で突然喧嘩するとこ死ぬ。「名前は?ホワンホワンで良い?」→最高すぎて頭抱えた。卵を撫でるシーンの温かさになんだか郷愁を感じた。恐竜ガオーは俺もやった。おもちゃのバイオリンで鳴らすのが蛍の光だったのもキた。
いや〜こうして振り返ると子どもパートの良さよ……。ひっくり返るかと思った。(大人パート寝てたからそう感じる説はある)

あとはもう、あまりにも良いカットが多い。もうなんか、映画を観てたというより幾つものナイスショットを拝んでた感覚すらある。ヒーリング効果。女の子が夕陽に向かってるときの、後ろからのシルエットのショットがヤバい。
パンとかズームの使い方、ホン・サンスっぽいのは言わずもがな感じたけど、なんていうかドキュメンタリーっぽさも強く感じた。というかなんか、fixの構図の抜き方が小津安二郎……っぽくない……?小津ってか小津をリスペクトしたコゴナダっぽくない……?子どもたちがつけたガムをみつけて大人たちが騒ぐシーンの構図とか特にそう感じた。あと緑があまりにも綺麗だったからだろうか。

つーか子どもたち演技うますぎんか?????ハオくんの部屋シーンがヤバすぎたのと、これは全員に言えるけど変に言い回してない感じがリアルだった。めっちゃリアル。

ア〜〜おれ温泉入ってたんかな〜〜。山奥の温泉宿に行った帰りのような気持ち〜〜〜〜。
はじめてOLD JOYを観たときと同じ気持ち。何にもわかってないんだけどよかったと言わせてほしい。

もう一回……もう一回観せてください……

○日記
はじめてのキネマ旬報シアター
朝マックをキメてTSUTAYAで1時間中古を漁って(1作330円で4作購入)散歩してコーヒー飲んでキネ旬。ボクが幸せだということにこれ以上条件が要るだろうか。

てかこの映画、たまたま観たのがいい。ほんとはもう一回エンパイア観たくて家出たのにマックに誘惑されて上映を一本遅らせることにした。そしたらこれだった。良すぎ。やっぱ良い映画館は良い映画に出逢わせてくれる。2人が朝マック好きでよかった。
都麦

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